血液サラサラ・血栓予防成分・栄養素を積極的に摂る

脳梗塞の再発を予防するには、血中コレステロールを低下させ血流をよくする栄養成分を取り入れることが大切です。代表的な栄養成分として、EPA・DHA、不飽和脂肪酸、ビタミン類、アルギン酸(食物繊維)、ナットウキナーゼ、クエン酸、ポリフェノールを紹介します。

EPA・DHA

EPA・DHAは、アジやイワシ、サバなどの青魚の脂に多く含まれている多価不飽和脂肪酸という栄養成分です。血液が固まりにくい作用やLDLコレステロールを下げる働きがあり、血管へのコレステロール蓄積を予防します。体内でほとんど作られないため、食べ物から積極的に摂ることが大切です。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、植物や魚の脂に多く含まれている脂肪を構成する要素の一つです。主に、血液中のLDLコレステロールを下げる働きがあります。オリーブ油やひまわり油などの植物油、アジやイワシなどの青魚に多く含まれていますが、体内で作られないため摂取する必要がある必須脂肪酸です。

ビタミン類

ビタミン類は、吸収された他の栄養素の作用を高めたり、体調を整えたりする調整役のような働きをします。血管の強化や血液中のLDLコレステロールを下げる作用があります。特にピーマンやニンジン、カボチャ、小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれ、体内のナトリウムを排出し血圧を安定させます。

アルギン酸(食物繊維)

アルギン酸は、食物繊維の中でも水に溶けて、食べ物の水分や余分な糖分・脂質を取り込む性質がある水溶性食物繊維の一つです。急激な血糖値の上昇を防ぎ、血液中のコレステロール値を低下させる働きがあります。ワカメやメカブなどのぬめり成分がアルギン酸であり、積極的に摂ることが大切です。

ナットウキナーゼ

ナットウキナーゼは、納豆のネバネバ部分に含まれるタンパク質分解酵素です。血栓を作るフィブリンという主成分に直接働きかけて分解し、プラスミンやウロキナーゼという血栓溶解酵素を活性化する働きがあります。また、血液凝固を促進させるビタミンK2の除去による血栓予防に効果が期待できます。

クエン酸

クエン酸は、お酢や梅干し、レモンなどの酸っぱい食べ物に多く含まれている成分です。血液中にある老廃物の排出を促し、余分なコレステロールや脂肪の分解を助ける働きがあり、血液が固まることを防ぎます。血管壁と血液の正常化に作用し、血圧や血糖値が安定します。

ポリフェノール

ポリフェノールは、赤ワインや緑茶、ココア、ブドウなどに多く含まれている成分です。血液中のコレステロールの酸化を防ぐ働きや、血管を傷つける活性酵素の産生を抑える作用があります。積極的に摂りたい成分ですが、過剰に摂りすぎることで血液をドロドロにしてしまうため注意が必要です。

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※このページの参考文献
・『別冊NHKきょうの健康 脳梗塞』最新治療・再発予防・リハビリのすべて
国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター長:岡田靖 総監修(NHK出版より2016年12月出版)
・『全部見える 脳・神経疾患~スーパービジュアル 徹底図解でまるごとわかる! 』 服部 光男 監修(成美堂出版) 2014年5月出版
・『よくわかる最新医学 新版 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』 高木誠著(株式会社主婦の友社)2018年5月出版
・『患者のための最新医学 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』高木誠著(高橋書店) 2015年9月出版

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