【特集】脳梗塞再発リスクに立ち向かう
「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」を知る
ナットウキナーゼという酵素は、血液サラサラ成分としてご存知の方も多いでしょう。
ここでご紹介するのは、「新しいナットウキナーゼ」とも言われる「NKCP」です。何が新しいのか、その働きはナットウキナーゼとどう違うのか、科学的根拠を交えて解説していきます。
「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」って何?
NKCP(精製ナットウ菌培養物)とは「ナットウキナーゼ・コンパウンド」のことで、納豆が発酵する際に産生する5つの酵素のうちの1つ「バチロペプチターゼF 」を一定量含んだ原料です。
NKCPは、大豆を発酵させて納豆をつくるナットウ菌から特許技術(※)により、有用成分(ナットウ菌産生たんぱく質)を集めて濃縮したものです。
※加工食品および食品加工方法の特許:特許第3532503号(2001年12月25日取得)
NKCPの主な成分
- バチロペプチターゼF(NKCP)
- ニュートラルプロテアーゼ(メジャーな外分泌プロテアーゼ)
- 細胞外プロテアーゼ
- メタロプロテアーゼ
- サブチリシンプロテアーゼ(ナットウキナーゼ)
納豆には血液の線溶糸に作用して血栓を溶解する物質があることがわかっていますが、さらに血液の凝固を抑制する物質を作っていることも分かりました。
しかし、納豆には血液の凝固に関わるビタミンK2が多く含まれているため、ワーファリンなどの血液凝固抑制剤の働きをおさえてしまう働きがあります。
納豆がNGというわけではありませんが、日常的に有用な成分を必要な量摂取することは難しいうえに、多量に摂取するとビタミンK2とワーファリンなど血液凝固抑制剤の飲み合わせの問題が出てきてしまうのです。
NKCPは有用成分を濃縮し、ビタミンK2についても通常摂取なら問題のない程度に取り除かれた機能性食品素材です。
健康な状態では血栓ができないよう「凝固系」「線溶系」のバランスが取れている
体のしくみとして、血管が傷ついて出血すると、血小板が集まって止血しようとします。
血小板だけでは不足なため、血液中のタンパク質が働きかけることで、フィブリンという成分が赤血球なども巻き込みながら血栓を作り出血を止めます。この働きを「凝固系」と言います。
血液は固まったままだと流れなくなってしまうので、プラスミンという成分ができた血栓を溶かして正常の血流に戻します。この働きを「線溶系」と言います。
健康な状態では、この「凝固系」と「線溶系」のバランスが保たれています。 食生活や生活習慣の乱れなどさまざまな要因によってこのバランスが崩れると、元に戻ることが難しくなります。 「凝固系」が活発になったり「線溶系」の働きが低下してしまうと、血液が固まりやすくなり、血栓ができて心筋梗塞や脳梗塞などの病気につながってしまうのです。
血栓が溶けやすい環境を作り、このバランスを戻すサポートをするのが「NKCP」です。
なぜNKCPなのでしょう。NKCPの働きを詳しく見ていきましょう。
「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」にはどんな働きが期待できる?
✔ 1. 血栓を生成しにくくする働き(抗凝固作用)……血栓の形成に対して予防的に働きます。
✔ 2. 血液粘度を低下させる働き
✔ 3. 血栓を溶解する働き(線溶作用/プラスミン様作用)……血栓が存在すると発揮されます。
1.血栓を生成しにくくする働き(血液を固まりにくくする働き)
NKCPには、抗凝固作用とも呼ばれる血栓の形成に対し予防的な働きが期待できることがわかっています。
科学的根拠
ラットの動脈に人工的に血栓を誘発してNKCPを投与。採血して血液凝固の指標(APTTおよびPT)を測定しました。
その結果、NKCPを投与したグループは、血液が凝固するスピードが遅いことが分かりました(図)。
この実験により、NKCPが血栓形成を抑える作用を持っていることが明らかになりました。NKCPを摂取していくことによって、血栓が作られにくくなることが期待できます。
2.血液粘度を低下させる働き
NKCPには、血液の粘度の上昇をおさえて血液サラサラを助ける働きがあります。これは、ナットウキナーゼでは見られない働きです。
科学的根拠
健康な成人8名に、NKCPを単回摂取(1,250mg)してもらい、摂取前から240分後まで数回にわたって採血を行い、血液粘度を調べました。
NKCPを摂取したグループでは、摂取105分後及び180分後に摂取前に比べて血液粘度の低下が認められました。
また、プラセボ(偽薬)(※)を摂取したグループと比較した場合も、NKCPを摂取したグループが180分後に血液粘度の低下が認められました。
※プラセボ…薬の臨床試験において、被験者を対照群と治療群(ここで言えばNKCP)とに分け、対照群にはプラセボを割り付ける試験方法です。ここでは、プラセボは、色、重さ、味及び匂いなど物理的特性を可能な限りNKCPに似せ、かつNKCP成分を含まない「偽物」です。
血液粘度が高いと血液の巡りが滞りやすくなってしまい、栄養や酸素の運搬にも悪い影響を与えてしまいます。血液粘度の低下をサポートするNKCPを継続的に摂取することで、血液が滞らない状態を保つことが期待できます。
3.できてしまった血栓を溶かす働き
NKCPには、血栓に対する線溶作用(血栓を溶かす働き)があります。これは、血栓が存在した場合に発揮される働きです。
科学的根拠 1
ラットのエサにNKCPを添加して14週間摂取させました。その後の血栓を溶解作用を実験的な動脈血栓モデルで検討しました。
人工血栓作成時から血栓の大きさを測定して血栓溶解作用を調べたところ、非投与グループ(グラフ赤色)と比較して、NKCPを経口投与したグループ(グラフ青色)は、明らかに血管内の血栓溶解が進みました。
科学的根拠 2
生理食塩水中の人工血栓にNKCPを少量加えると、数分後から血栓が溶解しはじめ、3時間後には血栓がほとんど溶けてしまいました。
「ナットウキナーゼ」と「NKCP」は何が違うの?
納豆が産生する酵素の中の1つ「サブチリシンプロテアーゼ」がナットウキナーゼとされています。
ナットウキナーゼは、血栓を溶かす働き、血液を固まりにくくする働きについてエビデンス(科学的根拠)を発表しているのに対して、NKCPは3つの働きに対するエビデンス(科学的根拠)を持っています。
- 血栓を生成しにくくする働き
- 血栓を溶かす働き
- 血栓を生成しにくくする働き
- 血栓を溶かす働き
- 血液粘度を低下させる働き
血栓を生成しにくくする働きやできてしまった血栓を溶かす働きはどちらも共通しています。
しかし、NKCPには血液粘度の上昇をおさえて血液サラサラを助ける働きがあります。これは、ナットウキナーゼでは見られない働きです。
「NKCP」を長期間摂取するとどういう変化が期待できるのか
健康な成人25名に、1~48ヶ月(平均21ヶ月)にわたってNKCPを摂取し、自覚症状(頭痛、めまい、ふらつき、肩こり、倦怠感、四肢の冷え)の変化を観察してもらいました。その結果の変化を表したのが下記の表です。
NKCPの特徴的な働き「血液粘度を下げる」(血液サラサラを助ける働き)が血流に変化をもたらしたことが影響したものと考えられます。
「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」の安全性は?
NKCPは、私たちが長く日頃から口にしている伝統食品である納豆から抽出した成分です。
NKCPの主成分である「バチロペプチターゼF」はその有効性、安全性が多くの実験により科学的に証明され、多くの国際的論文にも掲載されています。(論文と学会発表リストは、このページの最後に紹介しています)
「NKCP」の摂り方、ココが疑問 Q&A
Q:いつ摂取すればいいの?
A:摂取のタイミングはいつでも問題ありませんが、血液の粘度は就寝中に上昇することがわかっているため、就寝前に摂取するのが良いでしょう。
Q:どのくらい摂取すればいいの?
A:1日に250mgから500mgが理想的な目安です。
Q:ワーファリンとの併用しても大丈夫?
A:NKCPの製造段階で納豆菌が作るビタミンKを取り除いているため、NKCPの中にビタミンKはほとんど含まれていません。ワーファリンの効果に影響を与えることは考えにくいでしょう。
Q:原料の大豆タンパクにアレルギー物質はないの?
A:原料に大豆成分を使用していますが、製造されたNKCPには大豆由来のアレルギー物質は検出されていません。
「NKCP(精製ナットウ菌培養物)」はどうすれば摂取できる?
NKCPはサプリメントから摂取できます。
「精製ナットウ菌培養物」という名称にもある通り、納豆が発酵する際に産生する5つの酵素のうちの1つ「バチロペプチターゼF」を一定量含んでいます。
だったら納豆を摂ればよいかというと、納豆には血液の凝固に関わるビタミンK2が多く含まれているため、多量に摂取すると、ワーファリンなど血液凝固抑制剤の飲み合わせの問題も出てきてしまうのです。
また、市販の納豆は栄養素や酵素量にバラつきがあり、継続的に有用な成分を適切な量摂取することは難しいことからも、NKCPの摂取をおすすめします。
NKCPについてもっと詳しく知りたい方、相談してみたい方、NKCPが摂取できるサプリメントについて詳しく知りたい方、
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※参照元:NKCP研究会公式サイト(https://nkcp-lab.com/開発背景/)
論文
- 2021年 FOOD FUNCTION 第17巻 2021 2-5
- 2020年 TOWNSEND LETTER – AUGUST/SEPTEMBER 2020
- 2018年 Functions and Role in Disease Management Chapter 4
- 2018年 Biological and Pharmaceutical Bulletin、Vol41,No,4,504-509,2018
- 2015年 International Journal of General Medicine 2015:8 41–46
- 2014年 Journal of Hypertension: Open Access Vol 3 ・Issue 1 ・ 1000135
- 2013年 FOOD Style 21 2013年11月号 Vol.17 No.11 P64~66
- 2008年 FOOD FUNCTION 第4巻 第2号 1-4 P29~32
- 2007年 Journal of Japanese Society of Biorheolory, Vol.21,No.1,3540(2007)
- 2006年 健康・栄養食品研究、Vol.9,No.3/4(2006)
- 2006年 Food Style 21、Vol.10,No.9,88-90(2006)
- 2005年 Journal of Pharmacological Sciences,99, 247-251(2005)
- 2004年 BioFactors, Vol.22, No.1-4, 185-187(2004)
- 2004年 Food Style 21、Vol.8,No.1,92-95(2004)
- 2004年 日本バイオレオロジー学会誌(B&R)、18巻,1号,44-51(2004)
- 2003年 Pathophysiology of Haemostasis and Thrombosis, 33-138, 143(2003)
- 2002年 日本ヘモレオロジー学会誌、Vol.5,No.1,43-45(2002)
- 2001年 Thrombosis Research, 104,371-374(2001)
- 2000年 Thrombosis Research, 100,409-412(2000)
学会発表
- 2007年6月 第30回日本バイオレオロジー学会年会
- 2006年10月 第54回レオロジー討論会
- 2006年6月 第29回日本バイオレオロジー学会年会
- 2005年5月 5th International Conference on Clinical Hemoreology
- 2004年9月 第52回日本レオロジー討論会
- 2004年8月 International Congress on Rheology 2004
- 2004年6月 AOACインターナショナル日本セクション 2004シンポジウム
- 2003年12月 Physiologic Functions and Disease Risk Reduction
- 203年11月 第5回21世紀食と健康フォーラム
- 2003年9月 第51回レオロジー討論会
- 2003年6月 第26回日本バイオレオロジー学会年会
- 2002年12月 日本未病システム学会雑誌 Vol.8 No.2
- 2002年11月 第6回生活習慣病対策研究会
- 2000年8月 千葉大学共同研究推進センター共同研究成果報告書 第1号
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