不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、血液サラサラに働く脂肪を構成している栄養成分です。ここでは血液への作用や理想的摂取量、多く含まれる食品、上手な摂り方などを詳しく紹介します。

不飽和脂肪酸について

不飽和脂肪酸にはどんなものがあるのか

不飽和脂肪酸は脂肪を構成する要素の一つであり、常温では液体の脂肪酸です。不飽和脂肪酸は構造の仕組みから、「一価」と「多価」に分けられます。多価不飽和脂肪酸は体内で作られず食品から摂取する必要がある成分で、一価不飽和脂肪酸は体内で作ることができる成分であるという違いがあります。多価不飽和脂肪酸は、さらに「n-3系」と「n-6系」に分けられ、それぞれを色々な食品からバランス良く摂取することが大切です。

どう血液サラサラに働くのか

不飽和脂肪酸は動脈硬化や血栓を予防し、血液サラサラを助ける様々な作用があります。

一価不飽和脂肪酸のオレイン酸は、血中の悪玉コレステロール値を低下させる作用があります。その作用により、高血圧などの脳梗塞再発の危険要因を防ぎます。

多価不飽和脂肪酸の中で、EPAは血液の凝固を抑えたり血中の中性脂肪を低下させ、悪玉コレステロールを減らしたりする働きがあります。リノール酸は血中コレステロールの低下や動脈硬化の予防に働きますが、善玉コレステロールも低下させます。

不飽和脂肪酸の上手な摂り方

理想摂取量

不飽和脂肪酸は体内で合成されない必須脂肪酸の成分が多く、食品から摂取します。「n-3系」と「n-6系」の脂肪酸は、それぞれ1日で摂取する適正な量があり、50~64歳の男性は「n-3系が2.2g、n-6系が10g」、女性は「n-3系が1.9g、n-6系が8g」と定められています。これは、一定の栄養状態を保つために必要な摂取量です。

多く含まれる食品

不飽和脂肪酸が多く含まれる食品は、植物や魚由来の油です。ここでは「一価」と「多価」、それぞれの食品を紹介します。

「一価」が多く含まれている食品はひまわり油、オリーブオイル、ナッツ類などです。「多価」では、次の食品が挙げられます。

  • αリノレン酸:シソ油、ごま油、菜種油、アマニ油、くるみ
  • EPA・DHA:イワシ、サバ、サンマなどの青魚
  • リノール酸:サフラワー油、ひまわり油、大豆油、コーン油
  • γリノレン酸:月見草の油や種子、にしん
  • アラキドン酸:豚レバー、卵黄、さわら

摂取の注意点

不飽和脂肪酸は熱に弱いため、野菜や海藻、きのこ類、魚や肉などに少量かけることで成分を壊さずに摂取できます。ただし、ある特定の食品ばかりではなく、バランス良く様々な成分を摂取することが大切です。また、過剰に摂取することで出血傾向や肝臓障害、細胞の老化促進などが発現する恐れもあるため、適量を守りましょう。

血液サラサラの働きがある不飽和脂肪酸は、植物や魚の脂から摂取できます。「一価」と「多価」それぞれの必要量をバランス良く摂り、脳梗塞の再発予防の食生活にしましょう。

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※このページの参考文献
『別冊NHKきょうの健康 脳梗塞』最新治療・再発予防・リハビリのすべて
国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター長:岡田靖 総監修
(NHK出版より2016年12月出版)
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※このページの参照サイト
e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
不飽和脂肪酸の健康効果(わかさ生活公式サイト)
https://himitsu.wakasa.jp/contents/unsaturated-fatty-acid/
脂肪酸の種類について(Jオイルミルズ公式サイト)
https://www.j-oil.com/oil/type/

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