維持期(生活期)

生活期(維持期)の概要と対応する医療機関・施設や治療、リハビリの目的・目標・内容とポイント・注意点、社会復帰への準備や生活の中でできるリハビリをまとめました。

生活期(維持期)と呼ばれる時期について

急性期、回復期を経て状態が安定した後の時期で、もともとは回復期までに戻した機能を維持させるという意味で「維持期」と呼んでいましたが、現在では生活の質を向上させる役割を担ったリハビリを行う時期のことを指します。

生活期(維持期)に対応する医療機関・施設

 

自宅で生活しながら介護保険を利用した通所・訪問リハビリを行ったり、充実した内容量の自費での外来または訪問リハビリ、治療中心の療養病床群や老人保健施設、特別養護老人ホームでの入所リハビリなど多くの選択肢がありますが、それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて活用することが大切です。

生活期(維持期)に行われる治療

療養が必要な場合は、入院して治療を継続します。

この時期、自然な形の機能改善はこれまでと比較すると著しく期待できないものの、時間をかけて実際の生活環境で調整しながら、反復動作訓練や日常生活訓練などを行い改善できることもあります。また引きこもり等を予防し、社会活動への参加も含めた総合的なアプローチを行います。

生活期(維持期)に行われるリハビリの目的・目標

生活期のリハビリの目的は、これまでのリハビリを通して回復した機能を維持し、改善を目指しながら、よりよい生活のために実際の日常生活で機能や能力を高め、社会参加を促すことを大きな目的としています。行動範囲を広げて、復職を目指す方もいます。

生活期(維持期)のリハビリのポイントと注意点

自宅、日常生活に戻ると以前のように動作ができない場合があり、また自主的に動かなければならず、「できないこと」に焦点が向きがちで、落ち込んでしまうことが多い傾向です。対応としては生活リズムを確立し、具体的な目標を立てて、できない理由やできる方法を考えていくようにします。体幹、肩甲骨と肩関節、肘と手などを動かす自主トレも行うといいですね。

また麻痺が片側だけに残っている場合、両側を使うように意識します。以前は麻痺の無い方だけを使ったり、「利き手交換」などが行われましたが、片方だけを使っているともう片方(麻痺がある側)の運動機能が衰えてしまうことが明らかになり、両側をバランスよく鍛えるようになっています。

さらに適用できる介護保険のリハビリの内容などをしっかり把握して、必要であれば自費でのリハビリなども検討しましょう。

社会復帰への準備・生活の中でできるリハビリ

日常生活を送ることがリハビリの一環であり、起床し顔を洗い、着替え、食事を取り、歯を磨く。座ったり、手すりや杖を使って歩く、家族と会話するなど、習慣化することを意識しましょう。無理をしないように気を付けながらも行動範囲を広げていき、家庭や地域の中で自分の役割を持っていくことが大切です。

生活が整い安定してきたら、外出や地域活動に参加するなど社会とのつながりを増やします。医師らと相談して復職を目指すことも可能ですが、受け入れ側の環境を整えなければならなかったり、自分だけで頑張りすぎることのないよう、必要であれば障害者職業支援センターなどに相談しましょう。

まとめ

生活期には、生活の質を向上させるためにリハビリを続けます。日常の動作がリハビリの一環で、自己管理が大切ですが、無理をせず少しづつ行動範囲を広げ、家庭や社会で自分の役割を作っていきましょう。

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