視野障害

脳梗塞で起こる視野障害について

視野障害の原因と症状

脳梗塞による視野障害は、視覚をつかさどる領域の障害によって引き起こされます。視野の一部が欠損したり狭窄したり、二重に見えたりします。似たような症状に「半側空間無視」がありますが、これは視覚の障害ではなく、空間を認識できないことが原因で、高次機能障害の一つである失認に分類されますので、視野障害とは区別されます。

見えないところがある(視野異常)
引用元HP:ボシュロム公式サイト
https://www.bausch.co.jp/ja-jp/eye-dictionary/kininaru/miekata/blind-spot

視野障害でとくに多くみられるのは「半盲」です。視野の片側が見えにくくなる症状で、両目に起こるケース(同名半盲)が多く、左側だけが見えなくなる「左同名半盲」や外側が見えなくなる「両耳側半盲」などがあります。このほか、視野障害には見える部分が欠ける「視野欠損」や物が二重に見える「複視」などもあります。 視野障害は発症直後に症状が強くなりその後改善傾向がみられることが多いですが、後遺症として残りやすく、歩行中に物にぶつかってケガをする危険や、読み書きが不自由になるなど日常生活に支障を来たしてしまいます。

視野障害に対するリハビリについて

視野障害に対するリハビリは、欠けている視野を代償するために、眼球運動により見える側の視野の中に見たいものを持ってくるという手法で行われています。また、プリズム眼鏡というものを用いて、欠損していない側の視野を担う網膜の部分に、欠損している視野の像を投影させることによって見えるようにする方法もあります。最近では、損傷された神経路に繰り返し興奮を伝えて再建や強化を促す反復刺激療法の試みも行われています。

視野障害のリハビリの事例紹介

脳梗塞により視覚障害が起きた場合、発症直後には症状が強くなりますが、しばらく経過した段階で症状が固定もしくは完成します(良くも悪くもならない状態)。欠けている視野を眼球運動やプリズム眼鏡などで代償する方法でリハビリを行い、ケガの予防や日常生活動作の自立を目指します。

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※このページの参考文献
・『全部見える 脳・神経疾患~スーパービジュアル 徹底図解でまるごとわかる! 』 服部 光男 監修(成美堂出版) 2014年5月出版
・『よくわかる最新医学 新版 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』 高木誠著(株式会社主婦の友社)2018年5月出版
・『患者のための最新医学 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血』高木誠著(高橋書店) 2015年9月出版

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おもな脳梗塞の後遺症と
リハビリの方法

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